お飾り妻は嫌われたい!~愛のない契約結婚のはずが、旦那様がなぜか離してくれません~
驚くことに翌朝カインから呼び出されてしまい、それからというもの、私は連日侯爵邸へ通うことになってしまった。
そこで分かったのは、カインがとても短気で傲慢な性格だということ。
さらに見栄っ張りで自己中心的、自慢話と暴言は日常茶飯事で、少しでも彼の意にそぐわない反応をすれば、罵詈雑言の嵐が吹き荒れる。
おっとりとした性格だと言われることが多い私でも、カインとの会話はイラッとすることの連続で、自分自身の心を守るため、聞き流すように努めていた。
そうして今日も、侯爵邸の美しい中庭を一望できるテラス席で、カインの自慢話にウンザリしていると……。
「ジュリエ。おい! 俺の話を聞いているのか? おい!!」
「あっ、すみません。風が気持ちよくて、少しぼんやりしていました」
「まったくお前って奴は仕方ないな。もう一度話してやるから、今度はちゃんと聞いておけよ。この前、剣の──」
「先生に、すごく褒められたという話ですよね? 筋がよくて将来が楽しみだと」
「なっ、なぜ知っている!? ハッ! もしかして俺は、お前の耳にも入るほど有名なのか!?」
「えっと……そのお話は……」
そこで分かったのは、カインがとても短気で傲慢な性格だということ。
さらに見栄っ張りで自己中心的、自慢話と暴言は日常茶飯事で、少しでも彼の意にそぐわない反応をすれば、罵詈雑言の嵐が吹き荒れる。
おっとりとした性格だと言われることが多い私でも、カインとの会話はイラッとすることの連続で、自分自身の心を守るため、聞き流すように努めていた。
そうして今日も、侯爵邸の美しい中庭を一望できるテラス席で、カインの自慢話にウンザリしていると……。
「ジュリエ。おい! 俺の話を聞いているのか? おい!!」
「あっ、すみません。風が気持ちよくて、少しぼんやりしていました」
「まったくお前って奴は仕方ないな。もう一度話してやるから、今度はちゃんと聞いておけよ。この前、剣の──」
「先生に、すごく褒められたという話ですよね? 筋がよくて将来が楽しみだと」
「なっ、なぜ知っている!? ハッ! もしかして俺は、お前の耳にも入るほど有名なのか!?」
「えっと……そのお話は……」