今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う
何だかよく分からないが、私は隣にいる虎ちゃんの背中を軽く叩いた。そんな私を見つめながら虎ちゃんが苦笑いを見せる。
これはどういう意味の表情?
私達二人を見た美沙が、ニマニマしながら声を掛けてきた。
「ところで二人はそろそろ付き合わないんですか~?いつまで友達止まりでいるのかな?」
その言葉を聞いて虎ちゃんの顔が真っ赤に染まる。
そうか……虎ちゃんはずっと待っていてくれたのか。
私はこの思いに応えなければいけない。
どうしたものかと考えていると、虎ちゃんが唇にグッと力を入れるのが見えた。
「愛花ちゃん、俺やっぱり愛花ちゃんが好きだ。友達のままでは嫌なんだ。お願いします。付き合って下さい!」
それを聞いた美沙が両手を口に当て息を殺しているのが見える。その目はキラキラとしていて、期待をしているのが窺える。
これは……逃げられないか……。
「よろしくお願いします」
私の答えに、美沙が「キャーっ」と歓喜の悲鳴を上げる。
そして虎ちゃんは「よっしゃーー!」と拳を突き上げた。