今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う

「愛花さん、お腹すきましたね」

「うん。そうだね。徹子ママに美味しい物を作ってもらおう」

「それにしても愛花さんは強いんですね。身のこなしが凄かったです」

 興奮気味に僕がそう言うと、愛花さんが苦笑した。

「ああ……あれね。私は昔から徹子ママの所に通ってたでしょう。心配した両親が護身術を習わせてくれたんだよね。その成果が出せて良かったよ」

「護身術ですか。良いご両親なんですね」

「そうだね。こんな私を愛してくれる人達だからね。今度会ってみる?」

 会う……ご両親に?

「それって……」

 ニッと口角を上げる愛花さんがとても眩しくて僕は目を細めた。




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