今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う
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「徹子ママ、こんばんは」
私は『ラビリンス』の扉を開くとすぐに、ママに向かって声を掛けた。すると徹子ママが口をパクパクとさせながら声にならない声を漏らす。徹子ママは私達二人が並んでいるのを見て、ジワリと目に涙を溜めてから泣き出した。
「徹子ママごめんなさい。ご心配おかけしました」
私の隣で歩ちゃんが深々と頭を下げている。
「もう……ホントよ。あんた達、私がどれだけ心配したか分かってんの?ホントに心配したんだからね」
そう言っておしぼりで目元を押さえている。
「ごめんね徹子ママ、心配させて。でももう大丈夫だから。ほら!」
そう言って、私は歩夢と繋いでいる手を見せた。すると徹子ママは嬉しそうに笑った。
「良かったじゃない。あんた達が週末ここに座ってないと調子が出ないのよ。ほら、早く座んなさい」
カウンターを指さす徹子ママに促され、私達は仲良く並んで座った。回りからも「お帰り」と声を掛けられ、私達はそれに「ただいま」と答えた。
「それで、何があったの?」
そう聞かれ、私達は今日までのことを詳しく話した。すると、徹子ママは青い顔をしたまま固まった。