今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う
「愛花さん大好きです。あなただけです。僕がこれから一生を掛けて愛し続けるのはあなただけ」
愛……愛か……。
私には愛が分からない。
それでも……。
「歩ちゃん、私を幸せにしてくれる?」
「それはもちろんです。幸せにするに決まってます。そして嫌って言うほど愛しますよ。覚悟しておいて下さい」
そう言われ、嬉しくなった私は歩ちゃんの頬に唇を押し当てた。すると、それを見ていた人達から歓声が上がる。
「お幸せに!」
「ヒュー!見せつけるなよ」
「キャー!素敵!」
私は青空の下でブーケトスをする。私はある人を目掛けて思いっきり後ろへとブーケを投げた。
一番後ろで私達を見守っている人に向かって……。
私の手から離れたブーケは弧を描いてその人の元へ。
パサリと音を立てて、無事にその人の元へと届いた。
「徹さん!」