今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う
私と虎ちゃんが付き合いだし半年が過ぎていた。初めこそ二人の付き合いは順調だった。しかし、少しずつ何かがずれていく。明確な何かではなく、すれ違う気持ち……。それを埋めたくて、私は努力した。愛について学び、同じように振る舞う。しかし虎ちゃんは悲しそうな顔をするだけ。
何がいけない。
何が足りない。
どうすれば良い。
何も分からないまま時は過ぎていった。
受験が無事に終わり、私達4人は地元の同じ大学に合格した。学部は違うがまた皆が一緒にいられる、それが嬉しかった。
それなのにこの頃になると、虎ちゃんとのずれが明確に表れるようになってきていた。
それをごまかしながら私達は付き合いつづける。
大学生になり私達がお酒が飲める年になってもそれは続き、私達4人の関係は変わらずにいた。
「私達はずっと仲良しだよ~」
酔っ払った美沙が上機嫌にグラスを掲げる。それに合わせて私達もグラスを持ち上げ、グラスを合わせる。グラスがガシャンと音を立ててると、グラスの中のお酒が揺らめく。