今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う

「あんた虎ちゃんと別れてからここに入り浸ってるけど大丈夫なの?」

「別に大丈夫だよ」

「大丈夫じゃないでしょ。虎ちゃんに自分の事を話したの?あのことだって話していないんでしょう?」

 あのこと……。

「うん。話していない」

 徹子ママがもう一度、大きな溜め息を付いた。

「あんたはどうして言わないのよ。そんな顔をするぐらいなら話をしなさいよ」

「ムリだよ。虎ちゃん好きな人が出来たって。大学で心理学まで学んで努力したのに、愛することに努力は必要無いって言われちゃった」

「それは……」

 徹子ママが息を呑むのが分かった。



< 16 / 132 >

この作品をシェア

pagetop