今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う
*
私は昔から変わった子だった。
人に対し執着することは無く、誰かとつるむことも無い。ただ楽しければ良いと思うだけ。そのせいか回りからはすましている、クールなどと言われることが多かった。そんな私が異変に気づいたのは、小学校の修学旅行での出来事だった。クラスの女子達が好きな子の話を始めたのだ。
「愛花ちゃんの好きな人って誰?」
私の好きな人?
私は何も答えられなかった。
「愛花ちゃんはまだ好きな人がいないんだ。でも大丈夫、きっと好きな人が現れるよ」
そう言われてから何年経っても好きになる人は現れなかった。
そして気づく……私は人を好きにはなれない。
人に対して愛情が湧かない。可愛いと思っても、愛おしいとは思わない。
親は私に優しくしてくれた。少し変わっている私でも、それが私の個性だと言ってくれるような優しい両親だった。それなのに自分は親さえも愛せない。
何なのだろう。
このひね曲がった性格は……つくづく親不孝でやるせない。
高校生になると、更に回りは恋愛の話に花を咲かせる。
疎外感しか無い。
自分が世界からはみ出した人間のように思えた。
早く好きな人を作らなければ……そんな変な焦りがあった。
それでも私には好きになれる人が現れなかった。