今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う
それからは虎ちゃんのことは考えないようにした。考えないようにすると、もう何も感じない。もともと愛情が無いので、振られてもそれに関してダメージは無い。むしろホッとしている自分がいた。
だってもう演技をする必要が無いのだ。
むしろ良かったとも思ってしまうほどだ。
しかし、仲良しの4人で過ごすことが出来なくなってしまったのが残念でならなかった。それから月日が経ち、何人かと付き合ったりもしてみたが、一方的に私は振られた。
「お前、俺のこと好きじゃないだろう」
その通りだった。
何も返す言葉が見つからなかった。
みんな私が好きだと、付き合って欲しいと言ってくるくせに、最後は酷い振られ方をした。だから私は「自分は人を愛せない」と言っても「それでもいい。俺が振り向かせる」と言った人でさえ、私の元から去って行った。
嘘つき……。
どんなに人を愛せなくても、傷つくんだよ。振られれば悲しいんだよ。辛いんだよ。そんな言葉を吐き捨てないで、嫌いにならないで、私をこの世界から追い出さないで。私はこの世界からはみ出した人間だから受け入れてもらえないのだろうか……。
人を愛せない自分が不甲斐なくて、情けなくて涙が出た。