今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う
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歩夢との奇妙な関係が始まった。
歩夢は私に過剰な愛を囁き、私を抱きしめてくれる。
好きだ。好きだ。好きだ。好きだ。
僕の天使。
離さない。
僕だけのモノ。
そう言って歩夢は私に沢山の愛をくれる。しかし私はそれを歩夢に返すことが出来ない。
「歩ちゃんありがとう」
私はそう言って笑うことしか出来ない。
「愛花さん、歩ちゃんって……」
「ダメだった?歩夢だから歩ちゃん。可愛いでしょ?」
「ぼっ僕には可愛らしすぎるんじゃないかと……」
「そんな事無いよ。歩ちゃんは可愛いんだから良いの」
実際、歩夢は可愛いと思う。
すぐに赤くなるし、純粋だし。
純粋が故に、想いが暴走してしまうのだと思う。
「私の彼氏は可愛いいね」
あれから私達は付き合っている。
私は愛を返せないことを歩夢に伝えた上で、付き合うこととなった。歩夢は僕が沢山愛を上げるから、愛花さんからの愛はいらないと言ってくれた。
今までも私からの愛はいらないと言っておきながら、最後には酷い振り方をした人もいた。だから歩ちゃんも、もしかしたら同じような事を言ってくるのではないかと思ったが、それは杞憂だった。私が想いを返さなくても、歩ちゃんは私を見て嬉しそうに目を細める。私は歩夢の隣にいることが心地よいと思うようになっていた。