今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う
高校生は愛を乞う

 *

 学校のチャイムが鳴る。

 先生が教壇に立ち黒板に何やらグラフを書き出した。それをノートに書き取りながら先生の言葉を聞き流す。毎日つまらない授業ばかり……。周りを見れば受験生だからか、皆が真剣な面持ちで授業を受けていた。

 つまらないな……。

 早く徹子ママの所に行きたい。

 ボーッと外を眺めていると、いつの間にか時間が経っていたらしくチャイムの音が教室に響いた。皆が机の上に広がった教科書をしまい終わった頃、私の背中に何かが飛びついてきた。

「愛花、今日一緒に勉強しようよ。話したいことがあるの!」

 背中に飛びついてきた女生徒からフワリと甘い香りがした。

 女の子の匂いだ。

 その匂いは私の鼻腔をくすぐった。

「美沙、ここではダメなのか?」

「ここでは……ダメかな?」

「何で疑問形?」

「ともかくダメなの!いつものファミレスで良い?」

「いいよ」



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