今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う

「お前何を言ってるんだよ。俺はお前の彼氏だろうが」

「ええー。だってぇー、こっちのお兄さんの方がタイプなんだもん」

 そう言って私の腕に吉川が絡みついてきた。私はそれを良いことに、吉川の顎をクイッと上げた。

「そんな事言ってホントにいいわけ?」

「いいの、いいの」

「それじゃあ、その可愛い唇奪っちゃおうかな?」

 そう言うとキャーーッと女性達から悲鳴が上がる。それを男が呆然と見つめていた。しかしここで動いたのは歩夢だった。

「ダメです」

 そう言って吉川に触れていた私の手を掴んだ。

 突然割って入ってきた歩夢に、吉川が言葉で噛みつく。

「ちょっとあんた、良い所だったのに!邪魔するんじゃ無いわよ!」

 甘ったるく絡みつくような声はどこえやら、ドスの利いた声で吉川が叫ぶ。

 キャラ崩壊してるじゃん。




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