今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う
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居酒屋の騒ぎの後、私達は『ラビリンス』に戻ってきていた。時間は深夜を過ぎ、人がまばらにいるだけだった。そんな店内に歩夢の声が響く。
「愛花さん、すみませんでした」
そう言って歩ちゃんが私の前で頭を下げた。
「歩ちゃん悪くないよね?」
「それでも巻き込んでしまいました」
「それで?あいつらは会社の同僚であってる?吉川は歩ちゃんの元カノであってる?」
頭を下げた常態のまま歩ちゃんがコクコクと頷いた。
「あいつらはいつも歩ちゃんに対してあんな感じなの?」
コクコク。
「歩ちゃんは、罰ゲームだって知ってたの?」
コクコク。
「あんな奴らのために死のうとしたの?」
コクコク。
「あんな女のために、手首を切ったの?」
コクコク。
コクコク。
コクコク。