今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う
全てを頷くだけで答える歩夢。
信じられない。
あんな奴らに歩ちゃんを傷つけさせられたなんて。
許せないし、やるせない。
どうしてもっと早くに歩夢と出会っていなかったんだと、どうしようも無いことを考えてしまった。愛花は自分の中から溢れ出そうになる怒りを必死に押さえる。
「あ……愛花、あんた物凄い顔してるわよ。ここに通い始めて、初めて見る顔ね」
徹子ママが、お酒を出しながら顔を引きつらせている。
「あんた……もしかしてだけど、よからぬ事を考えているように見えるんだけど……大丈夫でしょうね?」
「何が?」
「何がじゃないわよ。絶対何か悪いことを考えているわよね」
「…………」
何も答えない私を見て、徹子ママがヤレヤレと言いながら首を振った。