今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う

「くくくっ……ゲイ?だったら?差別発言が過ぎますね。まあ大人になっても、陰湿な虐めをするような人ですもんね。そう言うこと言いますよね」 

 私の胸ぐらを掴んでいた塚田の手がパッと離れた。

 上司の前で虐めがバレて、やばいとでも思ったのだろう。

 その時、場違いな甘ったるい声が聞こえてきた。

「やぁ~だぁ~。ふたりともぉ。私の為に争わないでぇ~」

 何言ってんだこいつ。

 そろいもそろって、ここにいる奴ら皆バカなのか?

 ふと周りを見ると吉川が来てから、エントランスにいた人々の視線がこちらに集まっていた。

「お兄さん私に会いに来てくれたんだぁ~。うれしいぃぃ」

「別にあんたに会いに来たわけじゃない」

 ハッキリそう言ったが、吉川は私の腕に絡みついてきた。それを見た塚田が吉川の腕を取る。




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