今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う
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歩夢の会社での騒動の帰道、突然歩夢が頭を下げてきた。
出会ってから歩ちゃんは謝ってばかりだな。こうやって謝る姿を何度も見てきた。
「愛花さん、すみませんでした」
何故歩夢が謝るのかが分からない愛花は、キョトンとしながら歩夢に聞いた。
「歩ちゃんがどうして謝るの?」
「また愛花さんを巻き込んでしまったので……」
ああ……そう言うことか。
今回はわざと私が巻き込まれに行ったのだ。
だから歩ちゃんが謝る必要は無い。
歩ちゃんをどん底に追い込んだ奴らを、同じようにどん底に追い込むために私はあの場に行ったんだ。まさかあんなに上手くいくとは思っていなかったけどね。
私は眉を寄せる歩夢の頬に触れると、フッと微笑んだ。
「私は歩ちゃんが悲しむことをしちゃったかな?大人げなかったよね。ごめん」
「そっ……そんなことは無いです。僕はとても嬉しかったです。愛花さんが僕のために怒ってくれて……でも……」
そこまで言って歩夢が俯いた。それから歩夢の頬に触れていた私の手をギュッと握りしめた。
「もうあんなことしないで下さい」
あんなこと?