今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う
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「愛花聞いて、こうくんがダブルデートしないかって言ってるんだけどどう?」
ダブルデート?
「こうくんの友達が愛花のことを好きらしくて、一緒に出かけないかって……どうかな?」
そう言うことか……こうくんは美沙の彼氏だ。その彼氏の友達とダブルデート……気乗りはしないが、美沙のこの表情を見ると行かないとは言えない。
私の方をキラキラとした瞳で見ている美沙を見て、愛花は大きく溜め息を付いた。
「分かった。時間と場所は?」
「ありがとう。愛花大好き!」
土曜日――――。
私は美沙と共に待ち合わせ場所のショッピングモールに来ていた。向こうはもう到着しているらしく、私達は早足で待ち合わせ場所に向かう。人の多いショッピングモール内は、人を避けながら歩くのに苦労した。すでに帰りたい、そう思いながら美沙の後を追った。
「こうくんお待たせ」
「美沙、大丈夫だよ。俺達が待ち合わせの時間より早く来ただけだから。愛花ちゃんもありがとう」
こうくんこと、相川光太郎が声を掛けてきた。こうくんは爽やか系イケメンだ。しっかりとしていて、ゆるふわで時々ぬけている美沙にはこういう人が合っているのだろう。二人が並ぶと絵になる。その隣で、背の高い男子がガチガチに固まったままこちらを見ていた。
この人が美沙の言っていた、こうくんの友達か……。こうくんの友達は目鼻立ちの整ったイケメンだった。背が高く短めの髪に、しっかりとした筋肉で好青年と言った感じだ。体育会系かな?美沙の後ろからこうくんの友達を見ていると、それに気づいたのか、こうくんが友達の紹介を始めた。
「愛花ちゃん、こっちで緊張しているのがバスケ部のエースで部長の三隅虎吉って言うんだ。仲良くしてやって」
やっぱりそうか、運動している人なんだ。
しかもバスケ部のエースで部長……この人モテそうなのになんで私なんだろう?
そう思っていると、真っ赤な顔をしながら虎吉が私の前に手を差し出した。
「俺、クラスは一緒になったこと無いけど、神楽さんことは知っていたんだ。その……綺麗な人だなって……話をしてみたいなって。今日はよろしくお願いします」
あまりにも必死な虎吉の様子に、愛花は出された手を取っていた。
「こちらこそよろしくお願いします」