今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う
「はぁー疲れた」
もう嫌だと音を上げたのは美沙だ。それを聞いて、こうくんが美沙の頭を愛おしそうに撫でた。
「美沙にしては頑張ったな」
「そうね。美沙にしては頑張った」
私達の言葉に美沙が頬を膨らませる。その仕草が可愛くて思わず微笑んでしまう。
「ごめん、ごめん。そんなにかわいい顔しないで」
私はそう言って美沙の頬に触れる。すると美沙は私の手にすり寄り、微笑む。まるで猫だな。そう思っていると、私達を見ていた男子二人が顔を赤らめながら挙動不審になった。
「仲が良いのは分かるけど、度を超していないか?」
そう言ったのはこうくんだ。
「「そう?」」
「二人とも百合の香りがプンプンするんだけど?」
私達は思わず自分の匂いを嗅いだ。しかし花の香りはしない。
「「そうじゃない!」」
男性陣の声がそろい、驚いてしまう。
「二人とも息ぴったりだね」
私の言葉に、虎ちゃんとこうくんがガクリと肩を落とした。
どうしたというのだろう?