婚約者候補は辞退させてくださいませっ!
9
「歩きながらで申し訳ありませんが、簡単に神殿の中をご案内しますね。」
ニコライさまはさりげなく私の荷物を持ってくれた。
「先程の場所では主に書類作業をしております。こちらの廊下を抜けると中庭にでます。」
「わぁ。」
そこには色とりどりのたくさんの花に囲まれた女神像が設置されていた。
「こちらは一般の方は立ち入ることはできまん。神殿に滞在されている方やご寄付いただいた方などが立ち入ることができます。
女神像も一般公開されているものと少し見た目も違うのです。
こちらをご覧ください」
ニコライさまに指し示された方向を見ると女神像の手元の所だった。女神像は花束を両手で抱えていた。花束の花の部分は綺麗に輝いていた。
「これは…宝石?」
「えぇ。綺麗でしょう?
こちらの花束はジャクリーンさまよりご寄付いただきました。マリーベルさまはご存知だっかもしれませんね」
「いいえ。初めて知ったわ」
ニコライ様は怪訝な顔をした。
「そうですか。同じ侯爵家として交流があるかと思ったのですが…」
「まぁ、ジャクリーン嬢は侯爵家の方でしたのね。」
「え」
ニコライ様はまたしても固まっていた。
「ジャクリーン嬢をご存知ない?そ、そうですか」
ジャクリーン嬢…お会いしたことあったかしら。そもそも名前覚えるの苦手で。夜会の時もいつもエレナに頼っていたわね。
「ジャクリーン嬢は何かと目立つことが多いですし、交流を考えたのでしょうね。
こちらの耳元もご覧ください。こちらはレイチェル嬢よりご寄付いただきましたイヤリングです。」
女神像の耳元には左右に大きな宝石がぶら下がっていた。
「レイチェル嬢も侯爵家の方ですが、交流
はありませんか」
「いいえ、レイチェル嬢とジャクリーン嬢はご姉妹なのかしら?」
「え。マリーベルさま…?
レイチェル嬢とジャクリーン嬢はご姉妹ではありません。その…マリーベルさまはご存知と思いますが、我が国には4つの侯爵家があります。レイチェル嬢は…」
「まあ、そうだったの?」
ニコライ様が話終える前に咄嗟に呟いてしまった。私、何にも知らなかったわ。そういえば記憶力が悪くて、今まで勉強はエレナが全部してくれていたわ。
ニコライ様はこんなことも知らないのかと思われているわね。
「マリーベル様は…
きっと他にご興味があることが多いのでしょうね。
周りと張り合わない姿勢を貫かれるマリーベル様には、誰も敵わないでしょう」
「いいえ、張り合わないだなんて…」
ニコライさまより呆れられてしまったわ。
「ジャクリーン嬢よりこちらの花束をご寄付いただいた事が噂になり、すぐにレイチェル嬢がご寄付に訪れました。
寄付という名目で女神像を着飾り、ステータスを誇示されているのですよ」
女神像を改めて見ると小さな宝石などもあり、様々な方がご寄付されているのが窺える。
「なんだか…勝手に派手にされてかわいそうだわ。」
思わず心の声が漏れてしまい、ニコライ様を窺う。
「ニコライ様、可哀想だなんて不謹慎なことを言って申し訳ありません」
「いいえ、私もあまりこちらの女神像は好きではありません…」
ニコライさまは女神像を一瞥すると、私の方へと目線を移し、優しげな笑みを浮かべた。
「マリーベル嬢、あなたとは仲良くなれそうです。」
ニコライ様と共に中庭を後にする
「こちらが神官長のお部屋です。神官長と話したいことがありますので、少しこちらでお待ちいただけますか」
「えぇ。」
ニコライ様は私を残して一人部屋へと入られた。
ニコライさまはさりげなく私の荷物を持ってくれた。
「先程の場所では主に書類作業をしております。こちらの廊下を抜けると中庭にでます。」
「わぁ。」
そこには色とりどりのたくさんの花に囲まれた女神像が設置されていた。
「こちらは一般の方は立ち入ることはできまん。神殿に滞在されている方やご寄付いただいた方などが立ち入ることができます。
女神像も一般公開されているものと少し見た目も違うのです。
こちらをご覧ください」
ニコライさまに指し示された方向を見ると女神像の手元の所だった。女神像は花束を両手で抱えていた。花束の花の部分は綺麗に輝いていた。
「これは…宝石?」
「えぇ。綺麗でしょう?
こちらの花束はジャクリーンさまよりご寄付いただきました。マリーベルさまはご存知だっかもしれませんね」
「いいえ。初めて知ったわ」
ニコライ様は怪訝な顔をした。
「そうですか。同じ侯爵家として交流があるかと思ったのですが…」
「まぁ、ジャクリーン嬢は侯爵家の方でしたのね。」
「え」
ニコライ様はまたしても固まっていた。
「ジャクリーン嬢をご存知ない?そ、そうですか」
ジャクリーン嬢…お会いしたことあったかしら。そもそも名前覚えるの苦手で。夜会の時もいつもエレナに頼っていたわね。
「ジャクリーン嬢は何かと目立つことが多いですし、交流を考えたのでしょうね。
こちらの耳元もご覧ください。こちらはレイチェル嬢よりご寄付いただきましたイヤリングです。」
女神像の耳元には左右に大きな宝石がぶら下がっていた。
「レイチェル嬢も侯爵家の方ですが、交流
はありませんか」
「いいえ、レイチェル嬢とジャクリーン嬢はご姉妹なのかしら?」
「え。マリーベルさま…?
レイチェル嬢とジャクリーン嬢はご姉妹ではありません。その…マリーベルさまはご存知と思いますが、我が国には4つの侯爵家があります。レイチェル嬢は…」
「まあ、そうだったの?」
ニコライ様が話終える前に咄嗟に呟いてしまった。私、何にも知らなかったわ。そういえば記憶力が悪くて、今まで勉強はエレナが全部してくれていたわ。
ニコライ様はこんなことも知らないのかと思われているわね。
「マリーベル様は…
きっと他にご興味があることが多いのでしょうね。
周りと張り合わない姿勢を貫かれるマリーベル様には、誰も敵わないでしょう」
「いいえ、張り合わないだなんて…」
ニコライさまより呆れられてしまったわ。
「ジャクリーン嬢よりこちらの花束をご寄付いただいた事が噂になり、すぐにレイチェル嬢がご寄付に訪れました。
寄付という名目で女神像を着飾り、ステータスを誇示されているのですよ」
女神像を改めて見ると小さな宝石などもあり、様々な方がご寄付されているのが窺える。
「なんだか…勝手に派手にされてかわいそうだわ。」
思わず心の声が漏れてしまい、ニコライ様を窺う。
「ニコライ様、可哀想だなんて不謹慎なことを言って申し訳ありません」
「いいえ、私もあまりこちらの女神像は好きではありません…」
ニコライさまは女神像を一瞥すると、私の方へと目線を移し、優しげな笑みを浮かべた。
「マリーベル嬢、あなたとは仲良くなれそうです。」
ニコライ様と共に中庭を後にする
「こちらが神官長のお部屋です。神官長と話したいことがありますので、少しこちらでお待ちいただけますか」
「えぇ。」
ニコライ様は私を残して一人部屋へと入られた。