婚約者候補は辞退させてくださいませっ!
35
神殿の新体制も落ち着きつつあり、エドワードとフレッドは王宮へと帰ることになった。マリーベルの専属護衛の任が解かれたのだ。
「エドワード、フレッド、今まで本当にありがとうございました。あの、良ければ、これをどうぞ。だいぶ上達したと思うのですけれど、一応お花に見えるでしょうか?」
「感激です」
「ありがとうございます。マリーベル様」
二人はマリーベルが刺繍を施しハンカチを受け取ると、大切に胸ポケットにしまう。
彼らのポケットにはマリーベルから渡されたハンカチが2枚入れられている。
二人ともアーサー殿下には内緒にしようと囁きあっていた。
二人の後姿が見えなくなるまでマリーベルは見送っていた。
「なんだか、寂しくなります。最初はあんなに緊張していたのに、いつもいるのが当たり前になっていて。これからは、扉を開けても二人はいないのね」
「ふふ、そんなに寂しいですのですか?なんだか妬けますね。マリーベル、ならば私と同じ部屋を使うというのはどうですか?」
「な、な、な、ニコライ様。それは、あのっ、まだ心の準備が……」
「おや、なんの準備がいるのです?マリーベルの安全のために、側にいるだけなのに。何を想像しているのか気になりますね」
「ニコライ様!もう、いじわるです、知りません」
マリーベルは頬を膨らませる仕草をして、小走りで部屋へと向かった。
ニコライはマリーベルの後ろ姿を目で追っていた
「ふふ、目に入れても痛くないとは良く言ったものです。可愛いですね、マリーベル。」
では、私は一足先に仕事場に向かうとしますか
ニコライはこの時、マリーベルを一人にしたことを死ぬほど後悔することになる。
マリーベルは忽然と姿を消してしまった。
「エドワード、フレッド、今まで本当にありがとうございました。あの、良ければ、これをどうぞ。だいぶ上達したと思うのですけれど、一応お花に見えるでしょうか?」
「感激です」
「ありがとうございます。マリーベル様」
二人はマリーベルが刺繍を施しハンカチを受け取ると、大切に胸ポケットにしまう。
彼らのポケットにはマリーベルから渡されたハンカチが2枚入れられている。
二人ともアーサー殿下には内緒にしようと囁きあっていた。
二人の後姿が見えなくなるまでマリーベルは見送っていた。
「なんだか、寂しくなります。最初はあんなに緊張していたのに、いつもいるのが当たり前になっていて。これからは、扉を開けても二人はいないのね」
「ふふ、そんなに寂しいですのですか?なんだか妬けますね。マリーベル、ならば私と同じ部屋を使うというのはどうですか?」
「な、な、な、ニコライ様。それは、あのっ、まだ心の準備が……」
「おや、なんの準備がいるのです?マリーベルの安全のために、側にいるだけなのに。何を想像しているのか気になりますね」
「ニコライ様!もう、いじわるです、知りません」
マリーベルは頬を膨らませる仕草をして、小走りで部屋へと向かった。
ニコライはマリーベルの後ろ姿を目で追っていた
「ふふ、目に入れても痛くないとは良く言ったものです。可愛いですね、マリーベル。」
では、私は一足先に仕事場に向かうとしますか
ニコライはこの時、マリーベルを一人にしたことを死ぬほど後悔することになる。
マリーベルは忽然と姿を消してしまった。