冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
 私が仕事以外の雑談で酒の話に付き合ったからか、いける口だと判断したようだった。

 別に苦手なわけではないけれど、好んで酒を飲む人に比べたら弱いほうだ。

 そうは思うものの、ここで断るのは営業職のすることではない。

「いいですね。ぜひご一緒させてください」

「うちからも何人か連れて行きますよ。三堂さんもお連れがいたら遠慮なく」

「じゃあ、営業の子に声をかけてみます」

 部下と取引先の顔を繋ぐいい場になりそうだと判断し、先方の言葉に甘えて連れて行くメンバーを脳内でピックアップする。

 どこでどう仕事に繋がるかわからないから、基本的に相手の言うことは断らない。

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