お飾り妻のはずが、冷徹社長は離婚する気がないようです
「わかった。ドレスコードはある? だったら新しいドレスを買ってくるけど」

「俺が用意する。改めて買いに行く必要はない」

 せっかくドレスを着るなら、自分で選びたいと思ったけれど、そんなわがままで藍斗さんの申し出を拒むのも申し訳ない。

 それに、彼が用意してくれるドレスがどんなものか興味があった。

「どんな人が集まるパーティーなの? 覚えておかなきゃいけないものがあるなら、頭に入れておくよ」

「業種は特に限定されていないが、各社の代表取締役が多く集まる予定だ。一般的なマナーや教養はもう染みついているだろう。その点に関しては信頼している」

「ありがとう。期待に応えられるように頑張る」
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