冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
ぎゅっとしながら藍斗さんと並んで座り、その肩に寄りかかってみる。
「私、酔ったみたい」
「言われなくてもわかる。あんなシャンパン二杯で酔うほど弱かったか?」
「そこまで弱くない。だって私、営業だよ。お酒を飲めなきゃ仕事にならないでしょ」
古いやり方だと言う人もいるけれど、実際のところ酒の席というのはいい営業の場だった。食事をともにする、という行為が大事なのかもしれない。
「酔うのはいいが、また落ちるなよ」
藍斗さんの手が私の肩に触れ、さっきのように端から滑り落ちないよう抱いてくれた。
私は本当に酔っているのだろうか。こんなふうに甘えたくなるほど?