冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
松田社長は首を傾げると、今度は藍斗さんにも抱きつく。
「私も妻を連れてきたんです。化粧室に行ったきり戻ってこないんですけどね。きっと知り合いを見つけて話し込んでいるんでしょう。寂しいものです」
「……とりあえず、落ち着きましょうか」
藍斗さんが私をちらりと見て、会場の外を目で示す。
「松田社長の奥さんがいるかどうか見てきてくれ」
「あ……うん。ええ」
いつも通りの返答をしてしまい、慌てて公的な場での取り繕った言い方に切り替える。
藍斗さんをその場に残すのは少し不安だったけれど、わざわざ私に別行動を促したなら、ひとりで対応できるということなのだろう。
「私も妻を連れてきたんです。化粧室に行ったきり戻ってこないんですけどね。きっと知り合いを見つけて話し込んでいるんでしょう。寂しいものです」
「……とりあえず、落ち着きましょうか」
藍斗さんが私をちらりと見て、会場の外を目で示す。
「松田社長の奥さんがいるかどうか見てきてくれ」
「あ……うん。ええ」
いつも通りの返答をしてしまい、慌てて公的な場での取り繕った言い方に切り替える。
藍斗さんをその場に残すのは少し不安だったけれど、わざわざ私に別行動を促したなら、ひとりで対応できるということなのだろう。