冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
 庭園のベンチでしたように、藍斗さんが自分の隣を軽く手で叩く。

 逆らえるはずがなく隣に腰を下ろすと、睨むように見下ろされた。

「……藍斗さん以外にできるわけない」

 ぎゅう、と膝を掴んでうつむく。

 藍斗さんはなにも言わず、また息を吐いた。

「松田社長とは個人的に会うが、お前は来るな。また抱き締められても困る」

「あの時、助けてくれてありがとう。びっくりして頭が真っ白になっちゃった。酔うとくっつきたくなるタイプなのかな。気持ちはわかるよ」

「なんでもかんでも理解を示すな。禁酒させるぞ」

「えっ。私、そんなにひどかった? 藍斗さんが思うほどは酔ってなかったよ。本当に」

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