冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
 話によると、相当奥さんに絞られたようで、つい羽目を外してしまったことをこちらが申し訳なくなるくらい謝られたらしい。

 その際、お詫びとしてこの高級旅館の招待券をくれたということだった。

 それはそれとしてしっかり事業提携の話を進め、関係値だけでなく仕事の成果も持ち帰ってきた藍斗さんの手腕にはさすがと言わざるをえない。

 彼は『やらかしのおかげで、多少無理な契約を結んでも許されそうな雰囲気だった』と苦笑していた。実際にやるかどうかはともかく、目的は十分すぎるほど果たせたのだろう。

 そういうわけでせっかくもらったならと、休みを取った藍斗さんに連れられ、旅行に来たのだった。

< 178 / 271 >

この作品をシェア

pagetop