冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
 藍斗さんに言われてそちらを見ると、受付に通じる電話や、旅館の案内図が置かれたサイドボードの上にお皿が置かれていた。

 その上には四角い袋に包まれた梅ゼリーと金平糖(こんぺいとう)、甘酒を原料としたソフトキャンディがある。

「やっぱりいいところは、お菓子の置き方まで違うんだ」

 感心しながら、金平糖を袋からひとつ取り出す。

 自分の口に運ぶ前に、藍斗さんに渡した。

「甘いものは嫌いじゃなかったよね。一緒に食べよう」

「別にいい。気に入ったならお前が食え」

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