冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
「ううん、優陽とだったらどうするかなって考えてただけ」

「……ああ、友だちの」

「親友、だよ」

 しばらく彼女と連絡を取れていないけれど、今頃なにをしているだろう。

 急に寂しくなって、今回の旅行で彼女へのお土産をたくさん買おうと誓った。

「ひとまず館内を見ながら考えるのはどう? 途中で廊下から見えた庭も気になるし」

「そうだな。仕事も兼ねて見学させてもらおうか」

「さっき言ったこと、もしかして根に持ってる?」

「そう思うなら、もう旅行中に仕事の話を持ち出すのはやめるんだな」

 煽るように言われ、楽しくなって笑ってしまった。

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