冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
「そっちこそ、てっきり直帰したと思ったのに。わざわざ戻ってきたの?」

「資料のまとめだけ済ませようと思って。土日にやりたくないだろ」

「手伝おうか?」

「自分の仕事が終わって、どうしても俺の手伝いをしたいなら頼む」

「うーん、帰るかな」

 茶化したら、はははと軽快な笑い声が返ってきた。

 会話が途切れたのをいいことに、その後はしばらく黙々と作業を行う。

 営業部の所属といっても、新規の取引先を探し回ったり、今までの取引先との仲介をしたりするだけではない。

< 220 / 271 >

この作品をシェア

pagetop