冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
 申し訳ないから大丈夫だよ、というのは心の中だけで言っておいた。

【ありがとう】

 藍斗さんの気遣いを無駄にしないため、お礼を伝えておく。

 車で迎えに来てくれるのだろう。自分だって仕事が終わって疲れているだろうに。

 自宅からここまでは車なら三十分程度か。

 仕事を終わらせて荷物をまとめたら、だいたいそのくらいの時間になりそうな気がする。

「私、あと三十分くらいで帰る予定だけどそっちは平気そう?」

「俺も同じくらいに帰るつもり。かぶったな」

「じゃあお互いラストスパートを頑張ろうか」

「おー」

 ちょっぴり眠い目をこすり、またタイピングに勤しむ。

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