冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
 帰宅してすぐ、藍斗さんは私をリビングに引っ張っていった。

 何事かと思ったけれど、やけに真剣な顔をしていて聞くに聞けない。

「大事な話がある」

 私をソファに座らせた藍斗さんに言われ、無意識に息を呑んだ。

「……なに?」

 楽しい話をするようには見えない。

 私たちの間でする大事な話といったら、やはり結婚に関することだろう。

 いつ終わらせるつもりなのか聞くべきだと思っていたけれど、もしかしてもうその日が来たのだろうか。

 なにがきっかけで終わらせると決めたのかわからないから、せめてそれは知りたい。

 もう少しだけ一緒にいたかったというのはある。

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