冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない

「お前をどうしてしまうか自分でもわからなかったから、あの場では触れないほうがいいと思ったんだ。……何度も言っただろう。俺はもう八年前の俺じゃない。純粋にお前を好きだったのは昔の話だ」

　だったら今はどうなのか、さっき彼が語った言葉から察せられる気がした。

　藍斗さんは、私がほかの男性と笑いあうだけで狂いそうになると言った。

　それは八年前の彼の口からはきっと出なかった言葉だ。

　嫉妬する、もどかしくなる、おもしろくない……そんな言葉なら出たかもしれない。

　根本は一緒でも、今の彼のほうがもっと深く重い感情を抱いているように思える。