冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
 これまではずっと、同じベッドで寝ていても距離があったのに、今は仰向けになった私を藍斗さんが見下ろしている。

 シーツを掴もうとした手を取られ、手のひらを重ねられた。

「めちゃくちゃにしてやりたい。俺のことしか考えられなくなるまで」

「……して」

 藍斗さんのキスを受け入れながら、服を脱がそうとする手に従う。

「なにもされなくても、とっくにあなたのことしか考えてないけど、それでもいいなら」

 ふ、と藍斗さんが口角を引き上げた。

 そして私の首筋に噛みついて痕をつける。

「今度はつける場所に気をつけないとな」

「前の時は誤魔化すのが大変だったんだから」

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