冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
なにより昔見た時は遠目で輪郭くらいしかわからなかった。
藍斗さんが見知らぬ女性と一緒にいるという事実こそが大事で、どんな女性なのかまで確認しなかったのもある。
「引っ越した理由があれだ。教えてもいないのに住所を調べて、うちまで乗り込んできた。家に入れてくれないなら騒ぎを起こすとまで言って」
「そこまで……」
「あの頃にはもう、結婚の話が出ていたからな。まだ尚美が十九歳だったから、具体的な話にならなかっただけで」
これが藍斗さんじゃなければ、本当なのかと聞いていたところだけど、ついさっき彼の受け止めきれないほど深い執着愛を味わったばかりだ。
「別れの理由はそれか?」
藍斗さんが見知らぬ女性と一緒にいるという事実こそが大事で、どんな女性なのかまで確認しなかったのもある。
「引っ越した理由があれだ。教えてもいないのに住所を調べて、うちまで乗り込んできた。家に入れてくれないなら騒ぎを起こすとまで言って」
「そこまで……」
「あの頃にはもう、結婚の話が出ていたからな。まだ尚美が十九歳だったから、具体的な話にならなかっただけで」
これが藍斗さんじゃなければ、本当なのかと聞いていたところだけど、ついさっき彼の受け止めきれないほど深い執着愛を味わったばかりだ。
「別れの理由はそれか?」