冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
 もう家にいるのかどうかわからないものの、藍斗さんからの返事は早かった。

【どこか店に入れそうなら、そこで待っていろ】

【ありがとう。でもちょうどよさそうな場所がないかも。これなら走って家に帰ったほうが早そう】

【今どの辺にいる? 迎えに行く】

 だいたいの位置を藍斗さんに伝えると、彼はすぐ来てくれると言ってくれた。

 ほんの少し安心するも、これで勘違いだった時にどうしようという気持ちが芽生える。

 藍斗さんを心配させないためにも、本当に車の主が私を追いかけてきているのかたしかめるべく、曲がり角になるたびに右へ曲がってみた。

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