冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
 ぎょっとして道の端に寄ると、私を追い詰めるように隣を並走してくる。

 これはまずいと思った時、車のドアが開いて中から男がふたり現れた。

「さっきからなんですか。ずっと追いかけてきていましたよね」

「気づいてたのか。あんたを連れてくるよう言われてるんだ。おとなしくしてくれれば悪いようには――」

「俺の妻をどこへ連れて行くつもりだ?」

 そこに息を切らした藍斗さんがやってくる。

 私を背に庇い、男たちには指一本触れさせまいと守ってくれた。

「遅くなって悪かった。大丈夫か?」

「来てくれてありがとう。ちょうど危なかったところ」

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