冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
「……私によく似た別人じゃない?」

 写真を前にしても尚美さんは一切怯まない。

 それを見てさすがに限界を迎えたのか、藍斗さんが苛立たしげに言い放った。

「もういい。これまで行っていた援助はすべて打ち切る。当然、仕送りもだ」

「そっ、そんな! どうしてそんなことになるの? 関係ないじゃないのよ!」

 悲鳴を上げたのは義母だ。

 その必死さを別のところで発揮してほしかったけれど、もう遅い。

「藍斗、考え直すんだ。お前はこんな年老いた両親に露頭へ迷えというのか? そんな薄情な息子に育てた覚えはない!」

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