冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
 尚美さんがどう反応するのかと思っていたら、私を睨んで舌打ちをする。

「まさか前に付き合っていた女ってこの人なの? 嘘でしょ、そんなことある?」

 その反応で、過去の件も彼女が関係しているのがはっきりした。

 なんの話だ、とならない時点で自白したに等しい。

「それならなおさら償いなんてできない。むしろそっちがする側でしょ? 人のものを横からかすめ取ったんだから」

「藍斗さんはものじゃありません!」

 ひどい物言いにかっとなるも、もの扱いされた張本人の藍斗さんが止めてくれる。

「円香に償え。まずは謝罪からだ」

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