冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
プロポーズは特別に


 尚美さんにまつわる身辺の問題も解決し、私たちに平穏な日常が訪れた。

 優陽にも問題が解決した旨を伝え、改めて食事に行く約束をしたのだけれど、ふたりで遊ぶよりも早く結婚式の招待状が届いてしまった。

「ねえ、優陽の結婚相手って……」

 家に届いた招待状を手に、藍斗さんに向かって言う。

「あなたの友だちの名前も、水無月志信さんじゃなかった……?」

「相手を聞いていなかったのか?」

「……知ってたの?」

「顔を合わせるたびにのろけられていたからな」

 嫌そうに言うあたり、水無月社長はずいぶん愛妻家のようだ。

< 263 / 271 >

この作品をシェア

pagetop