冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
プロポーズは特別に
尚美さんにまつわる身辺の問題も解決し、私たちに平穏な日常が訪れた。
優陽にも問題が解決した旨を伝え、改めて食事に行く約束をしたのだけれど、ふたりで遊ぶよりも早く結婚式の招待状が届いてしまった。
「ねえ、優陽の結婚相手って……」
家に届いた招待状を手に、藍斗さんに向かって言う。
「あなたの友だちの名前も、水無月志信さんじゃなかった……?」
「相手を聞いていなかったのか?」
「……知ってたの?」
「顔を合わせるたびにのろけられていたからな」
嫌そうに言うあたり、水無月社長はずいぶん愛妻家のようだ。