冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
 きれいなウエディングドレスに身を包んだ彼女を、たくさん写真に収めて後で一緒に見ようと思っていたのに。

 やがて厳かな式が終わると、私たちを含めた参列者はガーデンへ出るよう促された。

 外はとても暖かくて、日差しが気持ちよかった。

 優陽の母親に抱かれた彼女の赤ちゃんが、機嫌よさそうにきゃっきゃと声をあげている。

「優陽、おめでとう!」

「ありがとう、円香……!」

 フラワーシャワーで優陽を迎える間も泣きそうになり、早々に花びらを親友にぶつけ終えた藍斗さんがまた目尻を拭ってくれた。

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