冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
「どうしよう、胸がいっぱい。この後の披露宴で友人代表の言葉をやるのに、大丈夫かな。泣いちゃってなにも言えなくなりそう」

「カンペを用意しているなら渡せ。志信の時と合わせて俺が読む」

「最悪の時はお願いするね。ありがとう」

 そう話していると、次はお待ちかねのブーケトスだった。

 優陽の幸せがいっぱいに詰まったブーケを他人の手に渡したくない気はするけれど、残念ながら私はもう人妻だ。

 幸せのおすそ分けは別の誰かに、と思いながら、ブーケトスに参加しない人の列に並んで見守る。

「せーのっ」 

 元気よく言った優陽は、なぜかブーケを投げなかった。

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