冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
 じんわりと広がる熱に身体が少しずつ火照り、もっと彼で満たしてほしくなる。

「私の恋人が藍斗さんなんて、まだ夢を見てるみたい。本物?」

「もう何度も聞いたな。本物かどうかたしかめたいなら、触ればいい」

 手を引っ張られて藍斗さんの胸に押し当てられる。

 とくとくと鼓動が手のひらに伝わってきて、どうしようもなく胸が疼いた。

「本物かも」

「だろう?」

 今度は鎖骨に落ちたキスを受け止めながら、しみじみと思う。

 大学の在学中にはホテル会社を立ち上げ、社長になった藍斗さん。見目麗しい容姿もあってか、注目の若手社長として界隈では騒がれているらしい。

 そんな人が今、私にあふれんばかりの愛情を込めたキスを浴びせている。

 交際してからもうすぐで三か月。ふたりでなんの変哲もない道を歩いているだけでさえ楽しいからか、このまま一生彼と一緒にいるのだろうと当然のように思っていた。

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