冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない

　リビングでさえ、普段ここで生活している人がいるのか疑問に思える寒々しさだった。申し訳程度にテーブルとソファがあるけれど、小物や観葉植物といった飾りになるものはなく、広い空間を持て余しているように見える。

　テレビすらないのには驚いた。でも、そもそもゆっくり見る時間がないなら置いていないのも仕方がないのかもしれない。

　私の部屋は一階と二階にある好きな部屋から選んでいいそうだった。

　それならと二階の部屋にしてもらい、事前に運んであった荷物を確認する。

　身辺整理が完了したら、一応優陽には報告しておきたい。