冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
 突然の結婚で驚かせてしまうかもしれないけれど、ずっと黙ったままでいるほうが嫌だった。

 とはいえ、優陽に恋愛に関わる話をするのは気が引ける。

 彼女は高校時代、恋人に浮気されていた。しかも相手はひとりではなく、複数人いたのだ。

下衆な恋人はおとなしい優陽に変わって私が成敗しておいたけれど、あの時の彼女は本当に落ち込んでいたから、それ以来恋愛の話をしにくくなってしまった。

もしその時、優陽が幸せな恋愛をしていたら、私も大学時代に起きた藍斗さんとの件を話していただろう。

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