冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
 ダンボールから私物を取り出し、藍斗さんが用意してくれたタンスにしまったり、デスクに並べたりしているうち、ふとやけに部屋が広いことに気がついた。

 あっと気がついて、リビングに向かう。

「藍斗さん、ベッドは? まだ届くのに時間がかかりそう?」

 私室を用意してくれるというから、必要な一式を頼んだつもりだった。

 だけどこれから私の部屋になる場所に肝心のベッドがない。どうりで広く見えるはずである。

「ベッドなら寝室にある。そんなにいくつも必要ないだろう」

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