冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
「逆に、別のベッドにしなければならない理由はあるのか? どうせどこのベッドで寝ようがなにも起きないんだから関係ないはずだ。それとも、お前はなにかするつもりでいるのか?」

 これは私が間違っているんだろうか?

 わからなくなって口ごもると、ソファに座っていた藍斗さんが立ち上がった。

 そうして私の手を引き、二階の寝室へ向かう。

 部屋の半分以上を埋め尽くす大きなベッドは、あまりにも存在感があった。

 きれいに整えられてはいるけれど、今朝ここで寝た時についたのだろうと思われるシーツの跡や、畳まれた毛布を見ていると、ひどく意識してしまう。

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