冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
「この広さがあるなら問題ないはずだ。どうしてもというなら、間に仕切りでも置くか?」

「そこまでしなくてもいいけど、本当にここで一緒に寝るの?」

「一緒に寝るわけじゃない。同じ場所で寝るだけだ」

 同じ言葉のようだけど、たしかに意味は違うのかもしれなかった。

 ふたりでともに寝るのではなく、ただ場所が同じだけ。

 それは、恋愛感情を抱くなと言った時以上に、私との間に線を引こうとする意志を感じさせた。

「……あなたが気にしないならいい」

「ほかに問題はないな。あるなら早めに言ってくれ」

 これが一番大きな問題なのに、彼は本当に気にならないらしい。

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