冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
 紅茶色に染めた髪を肩のそばでふわふわ揺らしながら歩く彼女を思い出し、自然と口もとが緩む。

 おっとりした女性的な顔立ちの彼女と違い、私は目ばかりぱっちりと大きくて勝ち気に見える。優しげな雰囲気になりたいとミディアムヘアをミルクティー色に染めてみたり、化粧もナチュラル系にしてみたりと試行錯誤してみたけれど、うまくいっている気はしない。

 たぶん、そもそも喜怒哀楽をストレートに出しすぎて子どもっぽく見えるせいだ。

 気をつけているのだけれど、楽しい時は楽しいと口にしてしまうし、嫌なことがあったらきっちり怒る性格はもう変えられそうにない。

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