お飾り妻のはずが、冷徹社長は離婚する気がないようです
「辛いものが好きで、酸味の強いものは食べられないとか、ピンク色が好きなのに子どもっぽいと思われたくなくて避けてしまうのを、大したことのない情報だというならそうなんだろう」

 え、と驚いて藍斗さんを見上げてしまった。

 たしかに私は辛いものが好きで、酸っぱいものが苦手だ。ポン酢の酸っぱさも顔をしかめる程度には。だから酸辣湯(サンラータン)を食べたいのに食べられない。

 ピンクが好きなのも合っている。

 彼が言う通り子どもっぽいと思われないため、同系色でもサーモンピンクやベージュに寄せた色にするなど、少しでも大人っぽい方向を選ぶようにしていた。

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