冷血悪魔な社長は愛しの契約妻を誰にも譲らない
『うれしい。お返しできるものがあればいいんだけど……』

「いらないよ、お返しなんて。これまでみたいに、一緒に遊んでくれればそれで充分。どうしてもって言うなら、飲み物でも奢って」

『じゃあ、もしプレザントリゾートでなにかあったら私が買ってあげるね』

「一番高いのにしようっと」

『もう、現金だなぁ』

 優陽とは定期的に連絡しているけれど、その期間が空いてもこんなふうに昨日別れたばかりかと思われるくらい、自然に話すことができる。

 たとえ最後に話したのが一年前だろうと、だ。

 私はこういう空気感でいられるからこそ、この関係を親友と呼んでいる。

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